ある介護施設でのことです。
その日は毎月実施している研修の日だったのですが、直前にお電話があり「研修の後に時間を取ってほしい」とのご依頼をもらいました。
聞けば、ある「気分屋さん」の社員に対する対応の協議で、リーダー、管理職クラスが数人集まる場でアドバイスがほしいとのことでした。
その日は毎月実施している研修の日だったのですが、直前にお電話があり「研修の後に時間を取ってほしい」とのご依頼をもらいました。
聞けば、ある「気分屋さん」の社員に対する対応の協議で、リーダー、管理職クラスが数人集まる場でアドバイスがほしいとのことでした。
まずその施設のすばらしいところは、誰一人「やめさせろ」「厳しく叱れ」という意見を出さないこと。
気分屋さんに振り回され、イライラを感じているにもかかわらず、そうなってしまう背景や本人の苦しさにフォーカスしようとしていました。
「病気」「性格」「生い立ち」「嫉妬」「家庭の事情」などなど、いろんな視点が考えられると思いますが、みんな一生懸命考えてくれるんです。
介護施設で研修をするときはデイの送迎が終わった18時以降に研修をやることが多く、この日も研修終了後、21時近くなってからのMTGスタートでした。
終わったのは22:30を回ったころ。
翌日に早番勤務の人もいる中、みなさん嫌な顔もせず、真剣にその「気分屋さん」のことを思いやり、どう対応してあげたらいいかを考えているんです。
終わったのは22:30を回ったころ。
翌日に早番勤務の人もいる中、みなさん嫌な顔もせず、真剣にその「気分屋さん」のことを思いやり、どう対応してあげたらいいかを考えているんです。
で、ここからが本題なのですが……
このMTGも立派な残業になります。
僕は基本的には残業規制には賛成なのですが、もし残業規制が進み、こうした場が失われるとしたら……?
恐らくこの「気分屋さん」は周囲から浮いてしまう一方となり、職場メンバーや管理職から有効な対応がなされることもなく、職場を離れることになってしまう可能性が高いのではないでしょうか。
そして、そうした一面に気づいたり直ったりすることもなく、次の職場でも同じ問題を引き起こし、ジョブホッパーになっていく可能性も……
職場で教えてもらえるのは仕事だけではないと思います。
こうした職場や社会での立ち居振る舞いを教わる場面も多いはずです。
いや、むしろそれも含めた円滑な人間関係の築き方の方が、仕事そのものよりも難しいのではないでしょうか。
残業規制が進んでこういう時間を取ることも難しくなってくるのだとすると、そこも含めて「自己責任」ということになっていくのでしょう。
自分で気づいて直せればいいのですが、自分で気づけない人もたくさんいます。
教える時間がなくなるのだとすると、今までならモノになるまで手厚い教育で支援してもらえたところが、見切りも早くなるということ。
見切られる側の人のことを思うと、いろいろ考えてしまいます。
ぬるま湯状態でいられなくなって、必死に働く羽目になるのはまだいい方。
気づけないまま、どこへ行ってもうまくいかずに悩んでしまう人がいるんじゃないか、と思うと、それが心配です。
そうなると、22:30までMTGする意味もあるんだよなぁ。
でも、時間がねぇ。悩ましい……
それと、この「気分屋さん」、自分の知らないところでこんなに管理職が悩んでいることは、きっと知らないままなんでしょうねぇ。
だとすると、僕も自分の知らないところで誰かを悩ませているんだろうなぁ