2017年03月31日

残業規制が徹底されるとどういうことが起こるのか?

残業規制について思うこと。



僕自身は、残業規制には賛成です。
むしろ、1日8時間・週5日働かなければいけない、ということにも疑問を持っています。
ただ、もし残業規制が本当に徹底されたら、労働者側にも非常に厳しい世の中になるだろう、と思っています。



残業規制を徹底する、ということは、1日8時間+決められた残業の上限/月以上働くことなく、生きていけるだけのお金を稼がなければならない、ということです。それができない会社はつぶれるか、生きていけるだけのお金を時間内に稼がなければなりません。



会社が生き残るためには、社員それぞれが限られた時間内に成果をあげなければなりません。もちろん、それぞれに同じ量の仕事が与えられれば、同じ時間でこなすことが要求されます。それは、これまでは要領の悪さを誠実ながんばりでカバーしてきた人たちが、切られる側に回るかもしれないということです。平均値をボーダーラインとするなら、50%はそちら側に回ることになります。もしそうした人たちが生き残っていこうとするなら、毎日時間と効率を意識しながら、追われるように仕事をするストレスと戦わなければなりません。



また、目標値の基準になるであろうハイパフォーマーについては、これまで成果基準だけがハイパフォーマーに合わされてきましたが、時間基準がこれに加わることになるでしょう。もはや、職場でのんびりすることなどできなくなります。私語厳禁などといわれなくても、そんなことをする時間すらなくなります。最終的には秒単位で追われて仕事をすることになるでしょう(既に製造業を中心に、作業標準時間が秒単位で定められているところがたくさんあります)。それはかなり精神的にこたえる世界のはずです。



残業規制が徹底されると、働き方はそんな風に変わっていくはずです(もちろん、残業規制が形式だけになれば今の長時間労働が是正されないだけです)。残業規制をマラソンに例えれば、これまでは5時間かけても6時間かけても完走すればほめてもらえたのが、これからは3時間で走れなければ困ると言われ、3時間を切る能力がない選手まで死に物狂いで走らされるということです。全力疾走しなくても成果をあげられるスキルを身につけるか、能力いっぱいのラインで毎日全力疾走させられるか、全力疾走しても集団についていけず苦しい立場に置かれるか? これからの時代、そんな覚悟を問われる時代が来てしまうのではと考えています。




僕は、全力疾走しなくても成果をあげられるスキルを身につけられるよう、協力したいと思っています。だって、それ以外の道は苦しいだけですから。

posted by work-is at 00:59| Comment(0) | 仕事全般
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