2014年10月01日

【戦いにおいて】兵の忠誠心は何で上がる?

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


戦いにおいて、兵の忠誠心は何で上がるのでしょうか?


「傭兵」という言葉があります。要するに、お金で雇われた兵士です。
一般的に傭兵は忠誠心という面では期待できない、といわれています。
理由は書かずとも、何となく多くの方が「そりゃそうだよね」と思ってくださることと思います。


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一方で、企業間の競争や競合との勝ち負けも「戦い」であるといわれます。
その戦いでは、「従業員」とか「社員」と呼ばれる人たちが「兵士」のポジションですよね。


日々、厳しい仕事をする中で……
お金でつながった人たちが、一生懸命仕事をしてくれるでしょうか?
もっとお金を出せば、もっとがんばってくれるでしょうか?
それ以上にお金を出す会社があれば、そちらに移ってしまうのではないでしょうか?


本当に会社のために働いてくれる人は、お金以外の「何か」でつながっている人ではないでしょうか?


そう考えると、暮らせないほどの低賃金はともかくとして、「給料を上げれば人が定着する」という考え方は、ともすれば期待はずれに終わる危険があるのではないかと考えます。


ハーズバーグの動機付け理論で、給料が「衛生要因」(低いと不満になるが高くても引き止め要因にはならない)に分類されているのも、こう考えると、なるほど正しいのだろうなぁと改めて思う次第です。
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2014年09月06日

海上自衛隊でパワハラによる自殺〜「指導だった」の嘘と、通らない言い訳

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


海上自衛隊でパワハラによる自殺があったことが報じられています。


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報道によれば、3等海曹が1等海曹にパワハラを受け、自殺したとのこと。
 ・3等海曹の頭部を平手やペンライトで殴った
 ・3等海曹の手をハッチにはさんで閉じた
 ・「自衛隊を辞めろ」「田舎に帰れ」などと非難した
 ・3等海曹の携帯電話を取り上げていた(自殺後に海に投棄)


そして1等海曹はこの3等海曹からメモでパワハラの被害を受けていると名指しされているのですが、事情聴取には「指導だった」と言っているようです。


けれど、それは明らかにではないでしょうか?
1等海曹は、この3等海曹が自殺した後に携帯電話を海に投棄しています。
このことから、「指導だった」とは言っているものの、本心では「マズイ」と思っていたことは間違いないことだと思います。


仮に本心で指導だったと思っていたとしても、それは「通らない言い訳」ではないかと思うのです。


学校でいじめがあったとき、よく見るシーンが「学校側はいじめがあったとは認識していない」「遊びでやっていると思っていた」というものです。
同様に政治家が「私の認識はそうではありません」と言っているシーンも、よく目にする光景だと思います。


でも……
それは「通らない言い訳」のような気がしてならないのです。


あまりにも当たり前で、誰が見てもおかしいと感じることに気づけないのは、やはり問題があるといわざるを得ません。
その人にも問題があるといわなくてはなりませんし、そういう人を「気づかなくてはならない立場」に就けてしまった人(組織)にも問題があるといわざるを得ないでしょう。


遺書が出てきて名指しで「この人にいじめられたから自殺する」と書いてあってもなお、「直接の因果関係があるとは言い切れないと思っている」なんて言って、誰が納得すると思っているのでしょうか。
「私の認識はそうではありません」と言ったところで、世の中の大多数が納得できないような特異な認識をしていることを公言しているに過ぎず、「私は非常識です」と言っているのと大して変わらないと思うのです。


詭弁や「公式回答」じゃなく、誰もが納得するような言葉や認識や考え方で物事が進むといいなぁと思います。
厳しいかな? 今日の内容……
posted by work-is at 00:52| Comment(0) | 離職問題

2014年08月04日

ブラック企業問題に出口が見えてきた?

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


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8月1日に、首都圏の大学生20人が労働組合「ブラックバイトユニオン」を結成したとの報道がありました。
某牛丼チェーン店に対しても、第三者委員会からの提言が入ったそうですね。


ブラック企業問題にかすかな出口が見えてきたと感じています。


企業の効率化とは難しいもので、現場の判断が必ずしも正しいとは言えないのもまた事実です。
「何とかしろ」と言って放置することで必死に現場が動き、そして新しいやり方を確立することもないわけではありません。
「無理」という言葉にいちいち付き合っていたら、ブレイクスルーもイノベーションも起きないでしょう。


しかしながら、昨今のブラック企業の状況はこれとは異なっています。
どだいこなすのは無理な仕事量を与えておいて「どうにかしろ」だけでは現場はたまったものではありません。
私は、生産設備の製造能力を超えた生産数を指示しておきながら、現場が「24時間365日機械を回してもその数は作れない」と言っても「なんとかしろ」としか言わなかったという話を聞いたことがあります。
もちろん現場も「物理的に作れない」と、事が努力ではなく算数の問題であることを訴えますが、怒鳴られれば引き下がるしかありません。
その上、管理職たちは現場の作業員を放っておいてさっさと帰宅してしまうというおまけつき。


もしかしたら、どうにもならない状況は管理職や経営陣にとっても同じなのかもしれません。
けれど、現場にしてみれば、一緒になって悩んでくれるだけでも違うのです。
「何とかしろ」と一旦は放置しても、それが改善されなければ一緒になって原因分析をしたり、答えまでは導けなくても糸口まではつかませてあげたりと、何かしてあげる義務があると思っています。
教育的な視点からあえて何も言わずにやらせることもあるでしょうけれど、どうも世の中を見ていると、管理職たちの責任逃れのために「何とかしろ」とだけ言って現場に投げてしまい、問題が起こったときにも「もう何ヶ月も前から改善するように言っていた」とか「忙しくても品質と安全には十分注意するよう指導していた」などと言って「とかげのしっぽ切り」をする例があると感じています。


世論が盛り上がってきました。
ブラック企業はあと何年でなくなるのか、そこまでは見えませんが、公害問題が大きく改善されたように、改善しようと努力すれば問題は必ず小さくなっていくと思っています。
世間の厳しさや仕事の厳しさを「ブラック」にすり替えるのは困りますが、そうしたこととは線を引きつつ、世の中がよい方向に変わっていくといいですね。
そのための一助に私もならなくては、と思っています。
posted by work-is at 20:19| Comment(0) | 離職問題

2014年07月14日

遅咲きは裾野が広い!

こんにちは! ワークイズ代表の桑原祐介です。


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遅咲きの人のことをプラスに表現すると「大器晩成」ですね。
学校でも仕事でも、不器用でなかなかうまく回せなかったり、いつまでたってもミスばかりしている人に、そんな表現で慰めとも励ましともつかぬこと言う場面を見た人は少なくないと思います。


でも、遅咲きであるが故に、人が持っていないものを身につけ、まさに「大器」となる人もたくさんいます。


遅咲きだと何がいいのか?


遅咲きだと、できなかった分、いろいろ苦しむことになります。
苦しんだ結果、心は強くなるでしょう。
そして、なぜできないのか必死に考えることで、できている人と自分の違いが見えてきます。
こういう人は名コーチになる可能性があります。
野球で言えば、長嶋茂雄さんが「ボールをよく見てバットをビュンと振れば当たる!」と指導する(ような気がするだけですが)ところを、もっとロジカルに具体的に説明ができるようになるかもしれません。


転職したり、仕事ができないことで頻繁に異動させられることも、悪いことばかりではありません。
そうした経験をすることで、いろいろな角度から物を見ることができるようになります。
私自身も、営業から総務人事に転職をしたことによって立体的に見えるようになった物事がいくつもあります。
経験だけみても、いろいろなことをさせてもらいました。テレビCMの制作に関わったこともありますし、印刷・出版や写真撮影の仕事もしたことがあります。イベントを準備したり、何百人の前で司会をやったりもしました。
そんな経験が、後々いろいろな場面で役に立ちます。


私は新入社員の頃には全然仕事ができませんでした。
一言で言えば劣等生、それも、ひどい劣等生でした。
散々苦しい思いをしましたが、今はそれでよかったと思っています。
遅咲きの人は苦しいと思います。でも、今の苦しみは、必ず将来のプラスになります。
どうか自分なりに、明日を迎える術を見つけてください。ヤケ酒でもヤケ食いでも、泣き言の長電話でも何でもいいんです。
そうして明日を重ねていけば、必ず何かが得られます。
ただし、毎日でなくてもいいから、概ね前向きでいてくださいね。


遅咲きには遅咲きの意味があります。
そして、まっすぐ歩かなかったことによって、その人の人生や経験の裾野が広がるのだと思うのです。
posted by work-is at 22:30| Comment(0) | 離職問題

2014年07月07日

国会・都議会セクハラ発言に見る離職の構図

こんにちは! ワークイズ代表の桑原祐介です。


国会や都議会でのセクハラ発言に関する報道がありましたね。
困ったものだと思ってニュースを見ていましたが、ふと、若い人たちの離職にも似たような問題があると気づきました。


セクハラ発言をした議員さんたちは、発言を悪いことだとは思っていないか、もしくは大きな問題になるほどのことだとは認識していなかったのでしょう(大きな問題になると思っていたら言わないでしょうから……)。
ところが、発言した本人の予測に反して大きな問題となってしまいます。
そこには世論との「感覚のズレ」があったわけです。
そして、発言した議員さんたちには、そのズレの認識がなかった……


このズレが「議員さんの世界」に起因するものなのか、悪い意味での「オヤジ世代」のジェネレーションギャップに起因するものなのか、それとも個人の問題なのかはおいておきますが、社員が定着しない職場にも、似たような構図が存在するケースがあると考えています。


例えば叱り方や教え方。
「オレたちのころは叱るなんてもんじゃない。無言で灰皿が飛んできたもんだ」
なんていう話がよくあります。単なる昔話としてならまったく問題ないのですが、今の世の中で同じような(あるいは程度の差こそあれど本質的には同様な)叱り方・教え方をしてもいいということではないと思うのです。


世の中は、どんどん進化しているのです。昔のままではありません。
進化についていけない会社や人は、淘汰されるしかありません。



若い人たちが定着しない職場や会社には、認識のズレが存在することがあります。
そのズレが「その会社の社風」に起因するものなのか、悪い意味での「オヤジ世代」のジェネレーションギャップに起因するものなのか、それとも個人の問題なのかはおいておきますが、ズレの認識がない点でも「セクハラ発言」と共通しています。
認識がないのですから、自分たちで気づくことは難しいでしょう。
できることがあるとすれば、外部からの指摘に真摯に耳を傾けることくらい。
でも、それって結構難しいことなんです。
例えば、水着の女性の写真をパソコンの壁紙にしている役員や取締役に、「それはセクハラだからやめていただきたい」とは、なかなか言えないでしょう?
「キミ、こんなので目くじら立ててるようじゃねぇ……」って言い出すような人たちに、納得してもらわなくてはならないのですから。
けれど、こうした役員や取締役がまるっきりダメな人たちというわけでもないと思っています。
昔は、それでも通ってしまっていたんです。時代が変わっただけ。そして、その変化についていけなかっただけ。
そして、そのことに気づいていないだけ。
さらに、そのことで誰かに迷惑をかけているということにも、気づいていないだけ。
そこに悪気はありません。


その悪気のない行いに気づけるかどうか。
それこそが、若い人たちが定着する職場をつくっていく鍵になる……そういう種類の問題を抱えている会社や職場も、たくさんあるのです。


どうしても会社や職場では「年長者の言っていることが正しく、新参者の言っていることは未熟」というスタンスで捉えられがちです。けれど、上述させていただいたように「世の中の進化についていけるか、いけないか」という性質の問題もあります。
これまで通ってきたことでも今は通らない、という話はいくらでもあります。
「悪いと思ったから直す」というスタンスでは不十分なのです。悪気のない行いに気づくためには、「悪いとはこれっぽっちも思わない」ことに対する指摘にも耳を傾け、納得できない話でも理解しようと努め、相手の立場に立とうとしなくてはなりません。
私も大学生のダブルスコア程度の年齢となりました。自分たちの考え方・やり方を否定されてもなお、新参者の言葉に耳を傾け、「もしかしたら自分の方が進化できなかったのかもしれない」と思い直す勇気と思慮深さを持ちたいものです。
進化し続けなくては……
posted by work-is at 20:09| Comment(0) | 離職問題