こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。
8月1日に、首都圏の大学生20人が労働組合「ブラックバイトユニオン」を結成したとの報道がありました。
某牛丼チェーン店に対しても、第三者委員会からの提言が入ったそうですね。
ブラック企業問題にかすかな出口が見えてきたと感じています。
企業の効率化とは難しいもので、現場の判断が必ずしも正しいとは言えないのもまた事実です。
「何とかしろ」と言って放置することで必死に現場が動き、そして新しいやり方を確立することもないわけではありません。
「無理」という言葉にいちいち付き合っていたら、ブレイクスルーもイノベーションも起きないでしょう。
しかしながら、昨今のブラック企業の状況はこれとは異なっています。
どだいこなすのは無理な仕事量を与えておいて「どうにかしろ」だけでは現場はたまったものではありません。
私は、生産設備の製造能力を超えた生産数を指示しておきながら、現場が「24時間365日機械を回してもその数は作れない」と言っても「なんとかしろ」としか言わなかったという話を聞いたことがあります。
もちろん現場も「物理的に作れない」と、事が努力ではなく算数の問題であることを訴えますが、怒鳴られれば引き下がるしかありません。
その上、管理職たちは現場の作業員を放っておいてさっさと帰宅してしまうというおまけつき。
もしかしたら、どうにもならない状況は管理職や経営陣にとっても同じなのかもしれません。
けれど、現場にしてみれば、一緒になって悩んでくれるだけでも違うのです。
「何とかしろ」と一旦は放置しても、それが改善されなければ一緒になって原因分析をしたり、答えまでは導けなくても糸口まではつかませてあげたりと、何かしてあげる義務があると思っています。
教育的な視点からあえて何も言わずにやらせることもあるでしょうけれど、どうも世の中を見ていると、管理職たちの責任逃れのために「何とかしろ」とだけ言って現場に投げてしまい、問題が起こったときにも「もう何ヶ月も前から改善するように言っていた」とか「忙しくても品質と安全には十分注意するよう指導していた」などと言って「とかげのしっぽ切り」をする例があると感じています。
世論が盛り上がってきました。
ブラック企業はあと何年でなくなるのか、そこまでは見えませんが、公害問題が大きく改善されたように、改善しようと努力すれば問題は必ず小さくなっていくと思っています。
世間の厳しさや仕事の厳しさを「ブラック」にすり替えるのは困りますが、そうしたこととは線を引きつつ、世の中がよい方向に変わっていくといいですね。
そのための一助に私もならなくては、と思っています。
posted by work-is at 20:19|
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