こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。
6月29日(日)に、ワタミさんの株主総会が開かれたそうです。
産経新聞さんの配信ニュースによれば、上場以来初の最終赤字に転落したことについて、創業者の渡辺氏は、ブラック企業の風評が客足だけでなく他事業にまで影響が波及した、といったニュアンスのコメントをしています。
世間でのこのニュースの評判がどのくらいの扱いなのか、今日の時点ではまだ見えてきていない部分があるのですが、私としては非常に大きな意味のある発言ではないかと考えています。
景気の好転や、誰もが情報発信できる時代にブラック企業という言葉が認知されたことなど、背景はさまざまあると思いますが、(ワタミさんが本当にブラック企業なのかどうかは別として)「ブラック企業」というレッテルが企業に大きなダメージを与える可能性があることを証明したニュースだといえるのです。
企業は、ただ「作ればいい」「サービスを提供できればいい」という時代から、いかに効率よく、生産性高く「作る」「サービスを提供する」方向へと進化してきました。その進化の中で、「労働者に対価を支払わない」「労働者の人間らしい生活を犠牲にする」ことで利益を確保してきた会社(=ブラック企業)がありました。
そして、企業も世の中も今、さらなる進化を遂げようとしているのだと私には思えるのです。
これからはさらなる淘汰の時代がやってくるのではないかと考えています。
社員にどのような労働環境を提供できるのかも、競争の一部です。
それはもちろん、厳しい労働環境か否か、というだけの話ではありません。
もちろん、厳しすぎる会社では社員が人としての生活を営めなくなるので、選ばれなくなるでしょうけれど。
ぬるくても夢やビジョンがなければ、人はついてきません。
厳しくても夢やビジョンがあれば、それを共有したいと思う人がついてくるはずです。
とても面白い時代がやってくるのではないか、と期待を持ってしまいます。
しかしながら、社員として働く労働者の側も手放しで喜べる話でもない、ということも知っておかねばならないと感じます。
それは同時に、社員にも厳しさが求められる時代になる、ということでもあるのです。
高い生産性と良好な労働環境を両立しようとするならば、これまでとは違った方向での、かなりの努力が必要となります。
仕事をしない人は、淘汰されます。
仕事ができない人も、淘汰されます(←ここは教育やキャリアコンサルティングの視点から救済したいですが)
短時間でアウトプットを要求されるということは、自分の成果にならない仕事をしない人が出てくる恐れがあります。
管理職の腕の見せ所です。どうやって職場の雰囲気を維持し、チームをまとめていくのか? それができない管理職は、淘汰されます。
職場のスピード感も格段にアップするでしょう。精神的にはかなり厳しくなるはずです。
それについていけなければ、淘汰されます。
人間らしい生活を営みたいと思うところなのですが、一方で企業間は競争です。
国内競合はもちろん、海外企業とも渡り合わなくてはなりません。
例えばメーカーなら、はるかに安い人件費で生み出された競合製品と戦える価格で製品を生み出さなくては、人間らしい生活もなにもなく、ただ倒産を待つのみとなります。
それを、人間らしい生活を諦めて生き残ることを選ぶのか、それとも、人間らしい生活を諦めずに別な手段で競合と戦い、勝っていく道を探すのか?
私は、企業に対しては「よりよい労働環境」を作り出していかなければ、と願うタイプの人間です。
けれど同時に企業の構成メンバーに対しては、「よりよい労働環境」を実現するためには他社に負けることはできない、生き残らねばならない、という観点から、ぬるま湯のような仕事ぶりは絶対に改めなくてはならない、と思うタイプの人間でもあります。
もちろん、自分のペースでゆっくりと働ける仕事もあるでしょうから、「ぬるま湯のような仕事ぶりでは存続できない」と全てについて言い切るつもりはありません。
けれど、イメージしているのは多くの「企業戦士」たち……そして彼ら、彼女らを統括する管理職。そうした人たちの中には、変わらなければ(変われなければ)この先淘汰されてしまう人もいるのではないか、と考えています。
社員個人の立場から見れば、企業から放り出されない人材にならなければ、今後はさらに危険が増すと思われます。
そして、いざ放り出されたとしても、どこででも生きていけるだけの自分のスキルや売りを作っておかなければならないと思われます。
もちろん私自身もまったく同じです。淘汰されないスキルや人間性を身につけなくてはなりません。
……と、なんか厳しいことを書いてしまいましたが、要するに、企業も社員も、その本分をしっかり果たせばそれでいいんです。
それだけの話なのだと思います。
当たり前のことなんですよね。それができれば、実はいい世の中って、案外手の届くところにあったりします。
でも、その当たり前が難しい、というか……難しいんですよねぇ。
みんな、一斉に「当たり前」を徹底しませんか??
2014年06月30日
「ブラック企業」というレッテルの代償
posted by work-is at 23:49| Comment(0)
| 離職問題
2014年06月19日
「もっと早く出会えていたらよかったのに」のお言葉
こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。
こういう仕事をしていると、会った人からいろいろな言葉をいただきます。
よくいただくのが、「もっと早く出会えていたら会社を辞めなかったかもしれないのに」「若いときに出会っていたら人生が違っていたかもしれないのに」という言葉です。
今日だけでも2人から言われました。これまでは……数え切れないくらい同じニュアンスの言葉をいただいてきました。
幸いにも悩んでいる最中に出会うことができ、そして何か私がお役に立てたのかな、という方からは「出会えていなかったら、今頃会社を辞めていました」という言葉をいただくこともあります。

悩んでいる方とできるだけお話をしたいですね。
こちらから出会うきっかけを作らないと。
みなさんからも、ぜひお声を掛けてくださいね。
悩んでいる方がいれば、ご紹介ください。
今のところ、個人様からお金を頂くつもりはありませんので。
ただ、少しでも力になりたいです。
誰かの笑顔が、自分のエネルギーでもあるので。
明日は県内某所で開かれる合同企業ガイダンスの場で、就活相談コーナーに座っています。
どんな方が来られるのかな?
でも、少しでも力になれたらうれしいなぁと、今から願っております。
こういう仕事をしていると、会った人からいろいろな言葉をいただきます。
よくいただくのが、「もっと早く出会えていたら会社を辞めなかったかもしれないのに」「若いときに出会っていたら人生が違っていたかもしれないのに」という言葉です。
今日だけでも2人から言われました。これまでは……数え切れないくらい同じニュアンスの言葉をいただいてきました。
幸いにも悩んでいる最中に出会うことができ、そして何か私がお役に立てたのかな、という方からは「出会えていなかったら、今頃会社を辞めていました」という言葉をいただくこともあります。

悩んでいる方とできるだけお話をしたいですね。
こちらから出会うきっかけを作らないと。
みなさんからも、ぜひお声を掛けてくださいね。
悩んでいる方がいれば、ご紹介ください。
今のところ、個人様からお金を頂くつもりはありませんので。
ただ、少しでも力になりたいです。
誰かの笑顔が、自分のエネルギーでもあるので。
明日は県内某所で開かれる合同企業ガイダンスの場で、就活相談コーナーに座っています。
どんな方が来られるのかな?
でも、少しでも力になれたらうれしいなぁと、今から願っております。
posted by work-is at 23:47| Comment(0)
| 離職問題
2014年06月09日
離職率の改善には面談と教育が肝!
こんばんは。ワークイズ代表の桑原祐介です。
少し前のことですが、新聞に東京のライトワークスさん(人材育成支援)の記事が載っていました。
記事によれば、外食や小売業を中心にサポートをされているようです。

その中で、やはり離職率低減の肝になるのは「教育」と「面談」であることが記されていました。
離職率が低い店舗では、月に1回、店長が面談を行っているのだそうです。
私どもの事業でも、面談は月1回を勧めております。
面談をするだけでも、離職率を下げる効果があるのです。
さらに、「こんなことはわかっているだろう」と思わずに教育を行うことの大切さにも触れています。
その通りだと思いながら記事を読んでおりました。
だって、「こんなこと」がわからないから、冷蔵庫に入ってみたり、アイスクリームのケースで横になってみたりするのでしょうから。
若い人に問題がある場合も、少なくないでしょう。
けれど、そういう若者が増えてしまった以上、対処するしかありません。
日本の教育だの、親の問題だの、大きな問題は国か、別な人に対応してもらうとして、私のように学生〜若手社員が抱える問題に対処する者は、そこをターゲットに問題の対処を図ろうと思っています。
いろいろな問題をスッキリ説明できる理論として、私は「泥棒と鍵の関係理論」という独自の理論を持っています。
簡単に言えば「泥棒が物を盗むのは悪いことで、問題は泥棒側にあることは明白。しかし、だからといって泥棒が悪いと論じていても始まらない。だから、人は鍵を掛ける」というもの。
この理論で考えると、簡単に答えが出る論争がいくつもありますよ(笑)
この問題もその1つだと思っています。若者が悪い、親が悪い、国の教育が悪いと言っても始まりません。
現場は現場で対処せねば。それが、今、与えられている現実なのですから。
そして、若い人に問題があったとしても、まじめに悩んでいる若者たちや、どうしていいかわからず苦しんでいる若者たちもたくさんいます。
せめてそういう若者たちに対してだけでも、温かい目で受け止め、成長できるよう寄り添ってあげたいのです。
少し前のことですが、新聞に東京のライトワークスさん(人材育成支援)の記事が載っていました。
記事によれば、外食や小売業を中心にサポートをされているようです。

その中で、やはり離職率低減の肝になるのは「教育」と「面談」であることが記されていました。
離職率が低い店舗では、月に1回、店長が面談を行っているのだそうです。
私どもの事業でも、面談は月1回を勧めております。
面談をするだけでも、離職率を下げる効果があるのです。
さらに、「こんなことはわかっているだろう」と思わずに教育を行うことの大切さにも触れています。
その通りだと思いながら記事を読んでおりました。
だって、「こんなこと」がわからないから、冷蔵庫に入ってみたり、アイスクリームのケースで横になってみたりするのでしょうから。
若い人に問題がある場合も、少なくないでしょう。
けれど、そういう若者が増えてしまった以上、対処するしかありません。
日本の教育だの、親の問題だの、大きな問題は国か、別な人に対応してもらうとして、私のように学生〜若手社員が抱える問題に対処する者は、そこをターゲットに問題の対処を図ろうと思っています。
いろいろな問題をスッキリ説明できる理論として、私は「泥棒と鍵の関係理論」という独自の理論を持っています。
簡単に言えば「泥棒が物を盗むのは悪いことで、問題は泥棒側にあることは明白。しかし、だからといって泥棒が悪いと論じていても始まらない。だから、人は鍵を掛ける」というもの。
この理論で考えると、簡単に答えが出る論争がいくつもありますよ(笑)
この問題もその1つだと思っています。若者が悪い、親が悪い、国の教育が悪いと言っても始まりません。
現場は現場で対処せねば。それが、今、与えられている現実なのですから。
そして、若い人に問題があったとしても、まじめに悩んでいる若者たちや、どうしていいかわからず苦しんでいる若者たちもたくさんいます。
せめてそういう若者たちに対してだけでも、温かい目で受け止め、成長できるよう寄り添ってあげたいのです。
posted by work-is at 21:10| Comment(0)
| 離職問題
2014年06月06日
洗濯板から離職問題を考えてみる
こんにちは! ワークイズ代表の桑原祐介です。
こんなシチュエーションを考えてみました。
ある女性が結婚し、ご主人の実家に入りました。
その家には、なぜか洗濯機がありませんでした。
あるのは洗濯板とたらいだけ。
これで、近くの小川に行き、洗濯をするのです。
雨の日は、屋根のない川原で濡れながら洗濯をします。
冬は、冷たい水に凍えそうになりながら、時には雪が降る中、洗濯をしなければなりません。
あまりのつらさに、この女性はご主人にこぼします。
「雨の日や、真冬の洗濯はつらいです」
さすがにそれはかわいそうだと思い、ご主人は両親に洗濯機の購入を申し出ました。
すると……
「最近の若い者はガマンが足りない」
「昔は真冬だろうがなんだろうが、どの家でも川で洗濯したものだ」
「そんなことを言わせるなんて、お前もどうかしている。もっと厳しくしつけなさい」
思わぬ反論に、ご主人はご両親を説得するのを諦めました。
ほどなくして、若夫婦は別居することを決めます。
ご両親は、ほとほとあきれたという顔をしています。
「若い者たちはわがままで困る」
「自分勝手なことばかりして」
「いつからこんな世の中になってしまったのか、嘆かわしい」
どこかの会社で、年配の方が似たようなことを言っていますよねぇ?
洗濯機が普及する過渡期には、こんな成り行きが日本中でいくつも起こっていたような気がします。
そして今、世の中がいろいろな面で過渡期にある中、これをそっくりそのまま新卒と上司に置き換えた成り行きが、至るところで起こっています。
確かに、結婚した女性だってソファに寝そべって1日中テレビを見て何もしない人だっているでしょうから、それをそのままなぞらえた新入社員だって、きっといるでしょう。
でも、自分たちの時代と「違う」ことを、「退化した」とか「悪くなった」という言葉で(無意識のうちに)すり替えてしまうのは、若い人たちにとっては酷というものです。
それは、「違う」だけかもしれません。
むしろ「進化した」「よくなった」のかもしれません。
洗濯機を買わなかったこの家では、せっかくの同居生活が破綻してしまいました。
人生経験豊富な年配の方こそ、若い人たちがなぜそんなことを言うのか、どうしてそんな行動をとるのか、若い人の立場に立って考えてみる必要があるのではないかと思います。
だって、人生経験のない若い人たちが、自分が生きたこともない年齢の人の心を想像するのは、それよりはるかに難易度の高いことでしょうから。
こんなシチュエーションを考えてみました。
ある女性が結婚し、ご主人の実家に入りました。
その家には、なぜか洗濯機がありませんでした。
あるのは洗濯板とたらいだけ。
これで、近くの小川に行き、洗濯をするのです。
雨の日は、屋根のない川原で濡れながら洗濯をします。
冬は、冷たい水に凍えそうになりながら、時には雪が降る中、洗濯をしなければなりません。
あまりのつらさに、この女性はご主人にこぼします。
「雨の日や、真冬の洗濯はつらいです」
さすがにそれはかわいそうだと思い、ご主人は両親に洗濯機の購入を申し出ました。
すると……
「最近の若い者はガマンが足りない」
「昔は真冬だろうがなんだろうが、どの家でも川で洗濯したものだ」
「そんなことを言わせるなんて、お前もどうかしている。もっと厳しくしつけなさい」
思わぬ反論に、ご主人はご両親を説得するのを諦めました。
ほどなくして、若夫婦は別居することを決めます。
ご両親は、ほとほとあきれたという顔をしています。
「若い者たちはわがままで困る」
「自分勝手なことばかりして」
「いつからこんな世の中になってしまったのか、嘆かわしい」
どこかの会社で、年配の方が似たようなことを言っていますよねぇ?
洗濯機が普及する過渡期には、こんな成り行きが日本中でいくつも起こっていたような気がします。
そして今、世の中がいろいろな面で過渡期にある中、これをそっくりそのまま新卒と上司に置き換えた成り行きが、至るところで起こっています。
確かに、結婚した女性だってソファに寝そべって1日中テレビを見て何もしない人だっているでしょうから、それをそのままなぞらえた新入社員だって、きっといるでしょう。
でも、自分たちの時代と「違う」ことを、「退化した」とか「悪くなった」という言葉で(無意識のうちに)すり替えてしまうのは、若い人たちにとっては酷というものです。
それは、「違う」だけかもしれません。
むしろ「進化した」「よくなった」のかもしれません。
洗濯機を買わなかったこの家では、せっかくの同居生活が破綻してしまいました。
人生経験豊富な年配の方こそ、若い人たちがなぜそんなことを言うのか、どうしてそんな行動をとるのか、若い人の立場に立って考えてみる必要があるのではないかと思います。
だって、人生経験のない若い人たちが、自分が生きたこともない年齢の人の心を想像するのは、それよりはるかに難易度の高いことでしょうから。
posted by work-is at 20:12| Comment(0)
| 離職問題
2014年06月05日
「じゃ、やってみてくださいよ!」といいたくなる職場
こんにちは! ワークイズ代表の桑原祐介です。
何ヶ月か前のことでしたが、晩御飯時に某牛丼チェーンに行ったときのことでした。
雨の日で、時間は19:30頃だったと思います。
車で行くような店舗で、雨ということもあってか、夕飯時にもかかわらず店内は空いていました。

でも……
驚いたことに、その店舗で働いていたのは大学生と思しきアルバイトの女性、たった1人だけだったんです。
たまたま店内が混んでいなかったので、回せていました。
普段はもう1人いるのかもしれません。体調不良か何かで休んでしまい、交代要員の手配がつかなかったのかもしれません。
でも……夕飯時です。回らなくなる可能性はとても高いのではないかと感じました。
先に食べていたお客さんが一斉に出て行ってしまい、一瞬、店内は私1人になりました。
思わず、食器を片付けに来た彼女に、私は尋ねてしまいました。
「1人だけ? 大変でしょ?」
「はい。でも、大丈夫です」
「夕飯時なのに、回らなくなることだってあるでしょ?」
「ええ……」
「気の短いお客さんだって、いるものねぇ」
「そうなんですよ……」
「がんばってね!」
この某牛丼チェーンの社長さんに言いたい。「じゃ、1人でやってみてくださいよ」って。
一度、1人でてんてこ舞いしてみればいい。作るのが遅くなって、お客さんに怒鳴られてみればいい、って。
怒鳴られたくらいではこの女性店員さんの苦労なんて、わからないかもしれません。
アルバイトの女性1人で何もかも対処しなければならない……毎日の仕事の中で、お客様との間に限ったとしても、いろいろなトラブルがあると思います。どれだけ心細いだろうか、と私は思うのです。
今、東京の牛丼チェーンでは時給1500円以上でも人が集まらないと聞きます。
人を大事にしない企業に、ツケはいつか回ってきます。
アルバイトも、正社員も、自分から「働きたい」といって来ていることには違いありません。
けれど、企業とて、働いてくれる人がいなければ、事業は成り立ちません。
「嫌ならやめればいい」という言い方をする方がいます。
もちろん、会社の方針やスタンスはそれぞれですので、それがどうしても合わなければ、結婚で言う「協議離婚」みたいなことになるのは致し方ありませんし、離れないでガマンすることの方がよくないケースもあると思っています。
けれど、人を人として扱わず「嫌ならやめればいい」と言っているのは、それとは違うと思うのです。
「嫌ならやめればいい」
そして、その会社に誰も来なくなる……そんな時代が来るかもしれないと、牛丼チェーンの1500円の時給が物語っているように思えます。
何ヶ月か前のことでしたが、晩御飯時に某牛丼チェーンに行ったときのことでした。
雨の日で、時間は19:30頃だったと思います。
車で行くような店舗で、雨ということもあってか、夕飯時にもかかわらず店内は空いていました。

でも……
驚いたことに、その店舗で働いていたのは大学生と思しきアルバイトの女性、たった1人だけだったんです。
たまたま店内が混んでいなかったので、回せていました。
普段はもう1人いるのかもしれません。体調不良か何かで休んでしまい、交代要員の手配がつかなかったのかもしれません。
でも……夕飯時です。回らなくなる可能性はとても高いのではないかと感じました。
先に食べていたお客さんが一斉に出て行ってしまい、一瞬、店内は私1人になりました。
思わず、食器を片付けに来た彼女に、私は尋ねてしまいました。
「1人だけ? 大変でしょ?」
「はい。でも、大丈夫です」
「夕飯時なのに、回らなくなることだってあるでしょ?」
「ええ……」
「気の短いお客さんだって、いるものねぇ」
「そうなんですよ……」
「がんばってね!」
この某牛丼チェーンの社長さんに言いたい。「じゃ、1人でやってみてくださいよ」って。
一度、1人でてんてこ舞いしてみればいい。作るのが遅くなって、お客さんに怒鳴られてみればいい、って。
怒鳴られたくらいではこの女性店員さんの苦労なんて、わからないかもしれません。
アルバイトの女性1人で何もかも対処しなければならない……毎日の仕事の中で、お客様との間に限ったとしても、いろいろなトラブルがあると思います。どれだけ心細いだろうか、と私は思うのです。
今、東京の牛丼チェーンでは時給1500円以上でも人が集まらないと聞きます。
人を大事にしない企業に、ツケはいつか回ってきます。
アルバイトも、正社員も、自分から「働きたい」といって来ていることには違いありません。
けれど、企業とて、働いてくれる人がいなければ、事業は成り立ちません。
「嫌ならやめればいい」という言い方をする方がいます。
もちろん、会社の方針やスタンスはそれぞれですので、それがどうしても合わなければ、結婚で言う「協議離婚」みたいなことになるのは致し方ありませんし、離れないでガマンすることの方がよくないケースもあると思っています。
けれど、人を人として扱わず「嫌ならやめればいい」と言っているのは、それとは違うと思うのです。
「嫌ならやめればいい」
そして、その会社に誰も来なくなる……そんな時代が来るかもしれないと、牛丼チェーンの1500円の時給が物語っているように思えます。
posted by work-is at 22:35| Comment(0)
| 離職問題