2014年06月02日

早期離職対策「とくに効果がある」のに未実施の対策とは?

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


今日(6月2日)夕方、静岡経済研究所様の「企業の魅力をどう学生に伝えていくか 〜“雇用のミスマッチ”改善に向けて〜」という研究発表があり、出席してきました。
会場は多くの企業の方、公的機関の方、そして学生さんも多数お見えになっていました。


発表資料で目に留まったのは、「早期離職を防ぐための対策」でした。
その中で、「とくに効果がある」とされていながらも、実施率がたった7%に留まっている対策がありました。


それは何か?


それは、「相談者(教育係以外)の配置」でした。


何と、挙げられている対策の中で、2番目に効果が高いと評価されているにもかかわらず、実施率は最低で、数ある対策の中でも、唯一、1桁のパーセンテージとなっています。


まさに私がやろうとしている仕事が世の中で求められている、ということが、研究からも明らかになったのだと受け止めています。


多くの人事担当者と話をしていると、「相談にのったり、面談をしたりすることは必要」という認識を持っている方が多くいらっしゃいます。
ところが、業務多忙などの理由で、それができていない企業も少なくありません。
人を1人雇えばいいのかもしれませんが、大企業でもなければ、そこまでのお金も、1人工の仕事量もないことがほとんどでしょう。
そして、私が相談業務のアウトソーシングを持ちかけると「本来は人事がやらなくてはならない仕事なんですけどね……」とおっしゃいます。


実は、派遣会社さんは派遣社員さんのフォローのために、営業担当者が定期的に派遣先を訪問しています。
そして、困っていることはないか、仕事は順調か、などケアをしていきます。
派遣社員さんに対してきちんとフォローされている派遣会社さん、営業担当の方は、たくさんいらっしゃいます。
どうして同じようなフォローが正社員に対しては行われないのでしょうか?



「いつかやりたい」と思っていて、なかなか着手できない人事ご担当の皆様方。
お1人雇うよりはるかに少ない金額で、アウトソーシングすることもお考えいただければと思っています。
そうすることで、社員さんが幸せに働いてくれたらと願っています。
そして、ご縁をいただいた企業様に、コスト、モチベーション、会社の評判などさまざまな面でのメリットを享受してもらえたら幸いです。
posted by work-is at 23:18| Comment(0) | 離職問題

2014年05月29日

人が集まらない! 離職が増えると事業継続にも支障が出る危険!

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


派遣会社さんとお話をしていると、本格的に人材が減っているというお話をよく伺います。
この3月、4月にかなり登録が減ったとは聞いていましたが、新卒採用が好況なのと同様、中途の採用も活発になっていて、その分、正社員としての働き口が見つかり、派遣社員の登録を解消する人が増えているのでしょう。


新聞記事でも、牛丼「すき家」を経営するゼンショーホールディングスさんではアルバイトが足りずに「人手不足閉店」の事態になっているようです。
また、居酒屋チェーンのワタミさんも、人手不足で60店舗を閉店するというニュースがありましたね。


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離職者が出ると、教育費や採用費など企業に金銭的なダメージが発生することはかなり意識されるようになってきました。
(もちろん企業へのダメージはそれだけではありませんし、何よりも離職は「人と会社」の問題ですので、単にお金の話だけで片付く話ではありません)
しかし、景気がよくなるとさらに「人が来ないために仕事ができない」という事態にも至ってしまうということが、事実ここで示されてしまいました。


たまたま上記2例は外食産業でしたが、このことはどんな業界でも起こりえます。


「A社とB社、どちらも営業を強化しようと思っていたが、評判の悪いB社はなかなか人が集まらず、結果、早く戦力強化できたA社に負けてしまった」


「せっかく受注が好調なのに、現場の作業者に退職が相次ぎ、後任も決まらないため請けた仕事がこなせない」


景気がよくなれば、人材の取り合いとなります。
よく人が辞めるという噂がたってしまったり、悪い評判が聞かれる会社になってしまったりすると、なかなか人が集まらなくなります。


よい労働条件を提供するのも、企業の競争だといえるでしょう。
同じ商品を同じ値段で作り、同じ質のサービスを提供するとしたら、少ない人数、少ない時間でそれを生み出せる会社の方が、お客様にとってもそこで働く人たちにとってもメリットが出るはず。他社より悪い労働条件しか提示することができず、結果よい人材を必要な人数だけ確保することができなくなり、そして競争に負けるのなら、それはそれで「負け」なのです。
競争に敗れることには、こういう負け方もあるのだと、肝に銘じなくてはならないと思っています。
posted by work-is at 15:35| Comment(0) | 離職問題

2014年05月26日

トイレのもう1つの役割

こんにちは。ワークイズ代表の桑原です。


先日、ある方から「若い頃は仕事で悩んで、よくトイレで泣きました」というお話を聞きました。


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男女問わず、若い頃は仕事で壁にぶつかり、1人ひそかにトイレや自宅の布団の中で泣いたりすることがあるかと思います。
トイレで泣いた話は、実はよく耳にします。
僕は、家に帰ってから布団で泣きましたね……


でも。
仕事で壁にぶつかって泣くのは、悪いことではないと思っています。
その場で泣いちゃうのは、できればやめたほうがいいけれど。
仕事のことで泣けるなんて、それだけ真剣だということ。
壁にぶつかって泣くのなら、成長したい、悔しい、そんな気持ちでしょう。
人とぶつかって泣くのなら、それはやさしい気持ちの証明ではないでしょうか。


泣いた経験も、自分の糧になります。
心は歳を重ねると傷がいっぱいつきますが、その傷から、たくさんの人のやさしさや愛情が心の中にしみてくる……そんな気がしてなりません。
posted by work-is at 19:30| Comment(0) | 離職問題

2014年05月09日

中小企業で新卒が定着しない本当の理由(3)ギャップは意外なところに

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


中小企業の悩みの1つに「新卒を採用しても、同期が少なくて気の毒」といったものがあります。


同期がたくさんいれば、気の合う人もいるでしょうし、悩んだときも相談したり吐き出したりできる相手がいます。
けれど、中小企業では何十人も新卒採用をする、ということはなかなかできないことでしょう。
5人、3人、時には1人、なんていうこともあると思います。
そうなると、孤立しがちになり、そして歳の近い先輩もいないとなると、なかなか相談しづらいのか本音を話すこともなく……


そして、離職してしまう。とても残念なことだと思います。


そこで活用してほしいのが、研修、それも外部研修です。


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私どもでご提案しているのは「外部に同期を作る」研修です。
新卒採用が少人数という会社では、入社時研修を外部に出していることが多いと思います。
しかし、外部研修では多くの場合、受講生同士が仲良くなったり、その後も連絡を取り合ったりするケースは少ないのではないでしょうか。


悩んだとき、吐き出したいときに「同じ釜の飯を食った同期」は心強いものです。
時には親や友達にも話せないことを吐露できる、そんな間柄になり得るものなのです。


新卒採用が少なくて、「彼(彼女)は同期が少なくてちょっとかわいそうだなぁ」と思っていらっしゃる、やさしい経営者の方、やさしい人事担当の方……
外部に同期をつくりましょう。そのための研修メニューをご提供させていただいております。
外部に同期と呼べる存在を作るための仕掛けが、たくさん入っています。
今からでも、秋のフォローアップ研修、という手がありますよ!
posted by work-is at 19:45| Comment(0) | 離職問題

2014年05月08日

中小企業で新卒が定着しない本当の理由(2)ギャップは意外なところに

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。
トピックスがいろいろあって、(2)が書けないままとなっておりました。


「社会とは理不尽なものだ」とよく言われます。


ところが、今の若い人たちは理不尽さに対する耐性が非常に弱くなっています。


これは、ある意味世の中がよくなってきたことに、その原因があるように考えています。


例えば、昔は食堂のディスプレイに置かれていた天丼と、実際に頼んで出てくる天丼が驚くほど違う(もちろん、実際に頼んだ天丼の方が海老が小さいわけです)ということは、珍しくもなんともありませんでした。


世の中がそんなものだったのです。
食品偽装だって今ほどうるさくありませんでしたよね?
買う側も「鹿児島産黒豚って、こんなに出回らないよね?」とか「コシヒカリ100%がこの値段で買えるはずがない」とか、半ば疑いながら買っていたのではないでしょうか。


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ところが、今の時代は20年前とは様相がまったく違っています。
コンプライアンスが叫ばれ、食品偽装などしようものなら、その会社は息の根が止まるまでメディアに糾弾されます。
ディスプレイのサンプルだけ立派な天丼を出すようなお店は、グルメ関連の評価サイトで低〜い点がつけられ、現物の天丼の写真がアップされることでしょう。だから、そうしたお店もずいぶん減ってきたと感じます。


世の中が、不条理や理不尽を許さない世の中に変わってきたのです。
不条理や理不尽は正されなければならない、という流れになってきているのです。



若い人たちが理不尽に対する耐性が低いのは、むしろ正義感が強くなったということであり、人間としては「進化」なのかもしれません。


翻って、世の中の「理不尽」にもいろいろあります。
食品偽装などがまかり通る理不尽は、変えていかなければならないでしょうし、世の中も確実に変わってきています。
そしてもう1つ、「理不尽に見えて、理不尽ではない」ことが、社会にはあります。


それこそが「人と人のコミュニケーション」なのだと思うのです。


例えば上司に「理不尽」な叱られ方をしたとか、お客様が「理不尽」な要求をしてきたとか。


でも、そこで一歩立ち止まって考えてみてほしいのです。
それは、本当に「理不尽」なのか、と。


理不尽に見えて、上司は叱らなければならない理由を、心に持っていたはずです。
お客様も、理不尽に見えて、実は要求の背景には何か事情があったのかもしれません。
たとえそれが間違っていたとしても、上司やお客様の頭の中では、正当な理由として認識されているはずで、間違っても理不尽なことを言っているなどとは、思っていないでしょう。
つまり、この「上司」「お客様」にとっては、それは理不尽ではなかった、ということになります。
理不尽でないから叱ったのであり、理不尽でないから要求したのだ、と。


これからの企業は、理不尽を正していかなければなりません。
そして同時に、新人や若い人を教育する立場の人たちは、「理不尽に見えて実は理不尽ではないことがあるのだ」ということを、理不尽に対する耐性を持っていない新人・若手社員に、説いていかなければならないのだと感じます。
それは、人はお互い自分のロジックで動いているということであり、勘違いもすれば、感情的にもなる、ということと重なることだと思います。


若い人たちが理不尽に対する耐性が低いのは、「進化」だと考えてみてはどうでしょうか?
いい世の中になっていく過程で出現した人たちなのです。
そして、過渡期を生きていかなければならない人たちなのです。
過渡期を生きるための考え方を、彼らにわかる言葉で、伝えてあげなければならないのではないでしょうか。
posted by work-is at 20:39| Comment(0) | 離職問題