2014年09月04日

落ちた会社に再アプローチも、ありです!

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


いろいろな業界の人事担当者や経営者の方々とお話をする機会がありますが、最近、どこへ行っても「採用に苦しんでいる」という話を聞きます。


学生さんも含めた求職者に対しては良い話ばかりのようにも思えますが、それでも、「やりたい仕事」ではなく、会社のネームバリューに流されたり給与や福利厚生に魅かれたりしたばかりに、後々仕事をしていく中で違和感を感じ、退職を考え始めてしまうのではないかと思うと、求職者もこんな時代だからこそ、自分の足元をしっかり見据え、本当にやりたい仕事は何か、何をして生きて行きたいのかを自分自身に誠実に問いかけなければならないのだと思います。



それはさておき……
学生さんの相談を受けていると「金融一本で受けてきたが全部落ちてしまった」「食品業界の研究開発部門に絞って就活をしてきたが既に採用を終えてしまった会社ばかりで、今から志望を変えなくてはならないのかと思うとどうしていいかわからない」といったご相談をよく耳にします。



「何となく金融」とか「栄養士の資格があるから食品業界」程度の志望理由の方には、自己分析からもう一度、とお勧めすることになるのですが、本当にその仕事をしたい、という意思を強く持っている方に対しては「じゃ、もう一度直接アプローチすればいいじゃない」とアドバイスすることもあります。



人事ご担当者の方からすれば、「直接コンタクトを取られたら仕事に支障を来たす」なんて言う方もいらっしゃるかもしれませんが……
けれど、採用に苦しんでいる企業さんが多いのも事実です。内定は予定数どおり出したものの、辞退が相次いでいたり、希望する人材を(質、数とも)確保できていない企業も少なくないと思います。
もし、そこへ熱意を持ってアプローチする人が来たら、どうでしょうか?



どうしてもそこで働きたいのなら、蹴られても踏まれてもアプローチすればいいと思うんです。
諦め切れなければ、また告白すればいい……就活と恋愛は似ている点が多いと思いますが、そんなものではないかと思います。
もちろん、相手方にご迷惑をかけてはいけない点も同じです。でも、中には「そんなに当社を思ってくれるなら……」と心が動くケースだってあるはずです。

落ちたところに再アプローチしてはいけない、というルールもありませんし。



有森裕子選手は、陸上部に入るために何ヶ月も監督の下へ通い続けました。
断られても、断られても。
本気でやりたいのなら、同じくらい根性があってもいいはずです。



特に、今年は。
企業側も、採用がうまくいかなくて困っています。
諦めない根性もまた、仕事をする上では必要な能力の1つだと思うのです。

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2014年08月28日

採用難の時代がやってきた!

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


新聞に「内定辞退が止まらない」という見出しの記事がありました。
それほど今年の内定辞退は多いのだそうです。


優秀な学生には内定が重複します。
景況感の好転に伴い、今年は(言葉は悪いですが……)「それほど優秀ではない学生」も重複して内定をもらっているようです。


でも、いくつ内定をもらっても、行ける会社は1社だけ。
当然、他社はお断りせざるを得ません。


バブル期には「拘束旅行」なんていうのもありました。
要するに、他社に連絡を取らないよう旅行に連れて行くことで「缶詰」状態にしてしまうのです。
携帯もインターネットも普及していない時代だからこそできた技だともいえます。
(当時の就活は留守電が必須アイテムでした。ちなみに私はバブル崩壊後に就活をしてひどい目に遭った世代です……当然、拘束旅行などという「接待」はありませんでした)


内定辞退を減らそうと、各社「人事からのコンタクトを増やす」とか「メンターを設ける」など、いろいろ対策を行っているようです。


ところが……
また一方では、「今年の内定者のレベルが心配だ」という声も上がっているのだそうです。
つまり、例年なら落としてしまう、社内の採用基準に満たない学生さんに対しても内定を出しているということ。少なくとも、当落線上で迷うクラスの学生さんは、今年は「内定」になっていることも多いのではないでしょうか?


一見、学生さんにとってはよかったように思えます。
でも、実際には入社してから恐ろしいことが待っているような気がするのです。
例えば、入社はしたものの周囲のレベルについていけなくなるのではないか? という不安です。
「ついていけない」というのは、単に能力面のことを捉えて言っているわけではありません。
能力面だけなら、多くの場合は必死に努力すれば乗り越えられるものだからです。
少なくとも、必死に努力すればいい線まではいけるでしょう。
(なぜって、どの会社だって必死に努力している社員ばかりではありませんから)
むしろ、レベル差を感じて諦めてしまったり、自分で勝手に「負け組」認定をしてしまうなど、メンタル面でついていけなくなる危険性を感じています。


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そうなると、次にやってくるのは「離職者の増加」そして「心の病になる社員の増加」だと考えています。


どうすればいいのか?
それは、「がんばって仕事を覚えよう」「一人前になろう」という気持ちが折れてしまわないよう、支えてあげることだと考えています。
まめにヒアリングをしたり、できている部分については認めてあげたり、叱るときも理不尽な叱り方ではなく理解できるように叱ってあげたり、ということが必要になると考えています。


人事担当者の方々や管理職の方々と話をすると、最近では多くの方が、ヒアリングやほめ方・叱り方について気を配っていると感じます。
本当にすばらしいことだと感じます。
けれど、なぜか離職者が減らない、心の病になる者が後を絶たない、というお話もまた、よく耳にします。


「退職された方の退職理由はどんなことだったのでしょうか?」


企業の方に聞くと、よく前置きとして使われる言葉が「本当のことはわからないのですが……」という言葉です。
これはつまり、「最後まで新入社員と本音で話し合えた印象がなかった」ということを意味しているということだと思います。


ヒアリングや日常指導でとても気を使っている管理職が増えているにも関わらず、本音を引き出せていないのもまた現実だといえるでしょう。


誰にだって、気が合う人、合わない人がいます。
信頼できる相手も、人それぞれ違います。
がんばっている管理職の方、先輩社員たちには、全員は無理でも、本音を打ち明けてくれる関係を1人でも多くの若手社員と築いていただければ、と願っています。


そして、私は恐らく、そうした「本音を打ち明けてくれる関係」を築くのが、他の方よりちょっとだけ得意なようです。
今年から来年にかけて、学生さんや新入社員と接することで、こうした上司・先輩社員たちの力になれる機会が急増するような気がしています。
ヘルプの依頼があれば、すぐにでも飛んで行きたいです。それが学生さん、新入社員、悩める上司・先輩、経営者の方々……誰かの幸せにつながるのなら、喜んで働きたいと思っています。
posted by work-is at 22:21| Comment(0) | 就活

2014年08月26日

本当の気持ち

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


先日、ある大学生の就職相談を受けました。
相談者は女性でした。最初は「就活で迷いが出てきた」「面接までは行くのだがそこで落ちてしまう」という話だったのですが……


よくよく聞いてみると、問題の本質はちょっと違うところにあったんです。


「どんな仕事をしたいと思っているの?」「条件で譲れないものはある?」と尋ねていったのですが、勤務地などの希望は出てきても、やりたい仕事に関する軸が見えてこないんです。
「今までどんな会社を受けましたか?」と聞いてみると、挙げられた名前は地元の有名企業ばかり。


そこで、本心を掘り下げて聞いてみると……
本人は実は、編集や出版、絵など、文芸系の仕事をしたいという思いを持っていました。
ところが親御さんはの希望は違っていて、それは「ちゃんとした」会社に就職してほしい、というもの。
夢を追う怖さや、娘には苦労してほしくない、という思いからの言葉なのでしょう。
そして、その思いがわかるからこそ「これ以上親に心配はかけられない」「わがままは言えない」と考えてしまったり「やはり両親の言うとおり、夢を追いかけるだけではだめなのだろうか、現実を見なければいけないのだろうか」という思いを持ち、そのはざまで苦しんでいらっしゃいました。


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もちろん、文芸系の仕事の門は、決して広くはないでしょう。
仕事も大変でしょうし、企業規模も大きなところばかりではありません。
けれど、「それでも夢を追いたいのなら」一度は追ってみてもいいのではないか、と私は思うのです。


終身雇用の時代は徐々に(あくまで徐々に)崩壊しつつあります。
転職する人も普通にみられる時代です。仮に一度失敗しても、その後どうにもならなくなってしまう世の中でもなくなってきています。
相談者の女性には「覚悟があるのならやってみればいいと思う。親御さんも娘がどうしてもやりたいと言うのなら、最後には応援してくれるのではないか。但し、先行き不透明な時代の上に、紙媒体の将来も明るいとは言えない。だから、就職できたとしても、いつでも1人で(=たとえフリーでも)やっていけるくらいのスキルを身につけるまでがんばりなさいね。ライティングも、編集も、撮影も、印刷に関する知識も、経営数字の読み方や仕事の取り方も、全部1人でできるくらいの経験を積みなさいね」と話しました。


ずっと……つらかったのだそうです。
研究室の仲間も次々に内定が決まり、決まっていないのは相談者の女性だけになってしまったのだとか。
親御さんや親族からも「就活はどう? 決まった?」と聞かれるたび、心が痛んでいました。
がんばらなければならない……そう思う気持ちとは裏腹に、自分のやりたいことを無意識のうちに覆い隠して就活をしていたが故に、前向きになれず、足も動かず、ただ時間だけが過ぎていき、焦燥感に追い詰められる毎日だったそうです。
そして……私と話をして初めて、自分が「文芸系に進みたい」という思いを覆い隠して就活をしていた、それこそが悶々と悩んでいた元凶だったということに気づいた、と話してくれました。


小一時間ほど話をしていたと思います。
その大半の時間、彼女は涙が止まりませんでした。
それだけ思いつめていたのだと思います。
そして、理由は人それぞれでも、同じように追い詰められ、1人涙しながら、誰にも相談できない学生たちがたくさんいるのだと感じます。


落ち着きを取り戻した相談者は、最後に迷いが晴れたような顔で「今日、帰ったら親にもう一度話してみます」と言ってくれました。
その選択で、彼女は苦労することになるのかもしれません。
でも、一度しかない人生、やらずに後悔することの方が、やって苦労するよりももったいないことのように思えるのです。
「よかった。今日は話してくれてありがとう」と言って送り出しました。


彼女の就活、そしてその先の人生がどうか幸せでありますように。

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2014年08月13日

「何のために働くのか」その思いに見る高卒・大卒の違い(傾向)

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


前職で新入社員研修をしていた頃の話です。
私が行う入社時研修では、「何のために働くのか?」を新入社員が1人ずつ、3分間スピーチで発表してもらうメニューがあります。
これは、同じ新入社員同士でも「何のために働くのか?」についてきちんと考えられている人と、まったく考えていない人、いまだ悩みの中にある人、と、その発達段階において大きなばらつきがあるため、お互いの思いを聞くことで自らの思いを発展させ、深めることを目的としています。
だから、ここでの発言に嘘やきれいごとは不要、ということにしています。
やはり面接では志望動機を作ってくる学生さんたちも、本音を言わせれば「お金のために働くとしか思えない」「できれば1日中寝ていたい」といった思いを抱えている人がいます。もちろん全員ではありませんが、そういう新入社員たちもある程度の数でいるものなのです。
(こうしたネガティブなことを口にさせてはならない、という向きの意見もありますが、私はそのようには思っていません。ネガティブな意見を封じてしまうと、新入社員たちは何も言わなくなります。苦しくても、納得がいかなくても、腹が立っても何も言わなくなり、ようやく言ってきたときには「退職します」と告げに来る……そんな段階までサインを発しなくなってしまうからです。仕事でも勉強でもそうですが、わからないものはわからないと言ってもらった方がこちらも対処ができるというもの。「何のために働くのかわからない」のであればハッキリそう言ってもらって、それじゃどこで引っかかっているのか、何に気づけていないのか、探っていけばよいと思っています。でないと、いつまでたってもわからないままになってしまいますので。仕事でも勉強でもそうでしょう? 時間が経てば自然にわかるようになる、ということはむしろ稀なことだと思っています)


ちなみに、同期とはいえ新卒20〜30人の前で3分話してくださいと言うと、みんなかなり緊張します。
「全員の前でわかりやすく話す」「大きな声で、抑揚と緩急をつけてハッキリ話す」など、話し方や発表の練習という側面も持たせています。
また、研修では高校生と大学生を一緒にして、同じメニューで研修を受けさせていました。
高校生には「社会に出たら「高卒(=18歳)だから大卒(=22歳)よりできない」は通りません」と指導しますし、大卒には「とはいえ年齢差はあるのだから、研修態度や学びの面において見本となるように」と指導することで、よい緊張感が生まれるからです。


ちょっと脱線しましたが……
こうして「何のために働くのか?」を発表させると、逆転現象が起こることがしばしばあります。
高卒の新入社員の方が、大卒新入社員よりも「何のために働くのか」という考えをずっとしっかり持っていることがよくあるのです。


「私はこれまで親に育ててもらい、高校まで行かせてもらいました。早く社会に出て恩返しをしたいです」
「両親が働く姿を見て、同じような職業に就きたいと思っていました。職場に配属されるのが楽しみです」
中にはご両親とも健在なご家庭だけではなく、「一生懸命がんばってくれた母を少しでも早く楽にさせてあげたい」などと言う方もいます。


それに対して大学生、特に男性(あくまで傾向としか言えませんが、残念ながら男性に多いのです)は「働かないと生きていけないから」「世間体」などなど、ポジティブな考え方に至れていない方が少なからずいます。


そして、研修後の日報を見ると決まって「所詮は高校生、と思っていたけれど、自分たち(=大学生)よりもずっとしっかりした考えを持っていた。自分の発表を振り返ると恥ずかしい」というコメントが数名から寄せられます。
講師の私が聞いていても正直そう思うのです。「高校生の方がしっかりしているなぁ」と。


大学に進学するということは、本来は「学びたい」とか「学んだ上で将来につなげたい」という目的があるはずなのですが、高卒者の50%以上が進学する現代では、単に「職業選択の先送り」になっているような気がします。
まぁ、偉そうなことを書いているこの私も、大学生のころはやりたい仕事がなくて仕方なく就職したクチなので、全然立派ではないんですけどね……


就活生にとって、どうしても就職とお金は切り離せないものだと思います。
そこで、若い人たちにはこんな話をします。

「宝くじが当たったらどうする? 遊んで暮らす? でも、童話や昔話に出てくる王様やお殿様はたいてい「あぁ、毎日退屈だ」と言っているよね? どうしてだと思う?」

「年金で暮らせるお年寄りも、公園の草むしりをしたり、道路のごみを掃いたり、小学生の通学路で旗を持って立ったりするよね? 誰からもお金はもらえないけれど、何でタダで働くんだと思う?」

「(複数のアルバイトを経験した学生さんに)お金がよかったけれどやりたくない仕事ってあった? 反対に、お金は安かったけれど楽しかった仕事は?」


この辺の答えを一緒に考えていくと、「何のために働くのか?」の答えにたどり着くヒントが得られるような気がします。
それでも、若い人たちにとっては、腑に落ちて理解するところまではいかないことがほとんどです。
でも、ヒントを持って成長していくのと、何も持たずに成長していくのでは、将来「人生楽しかった」と言えるか「人生つらいことばかりだった」と言う羽目になるか、くらいの違いが出てくるような気がしてならないのです。

だから、私は若い人たちにヒントを与えたいと思っています。
10年、15年してからわかってくれればいい。それで十分ですので。
posted by work-is at 18:53| Comment(0) | 就活

2014年08月08日

【内定者の気遣いに思う】迷ったときはこう考えてみよう!

こんにちは! ワークイズ代表の桑原祐介です。


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先日会った学生さんから、こんな話を聞きました。


「1社から内定をもらえたが、理想を追って就活を続けるべきか、ここで終わりにするべきか悩んでいる」


ここまではよくある話です。
ところが……


こういう相談ってなかなかできないんですよ……友人の中にはまだ内定ゼロで就活を続けている人がいるので、もちろんその人たちにこんな相談はできません。私も内定ゼロだった頃は、友人の「内定もらえた!」メールに傷ついていましたから」


内定者の相談にものってあげるべきなんですよね。
以前、そうした事例に遭遇したことがありましたが、改めて実感しました。
どうしても内定がもらえない学生さんに目が向いてしまい、この視点は抜け落ちてしまいがちです。


迷っている方に、私はこんな話をします。


「2つの選択肢で迷うとき、それはもしかしたら「楽な道だが2番」「大変な道だが1番」の2択なのではないか?」と。


だって、楽で1番なら、迷わずそっちを選ぶでしょう?
楽な道でも2番だから、そっちを選びきれない。
1番を選びたいけれど、大変なのがわかっているからそっちも選びきれない。


昔から「迷ったら大変な方を選べ」というのは、そういうことなんだろうなぁと思います。
実際には複雑な背景があるが故に悩むこともあるでしょうし、こんなに単純ではないと思いますが、もし2択で迷ったときはこう考えてみるのも一案だと思います。
「僕(私)は今、安きに流れて1番目の選択肢を捨てようとしているのではないか」と。


この方にもその話をしました。
内定承諾書は既に出してあるとのこと。そして、出会った会場は合同企業ガイダンスの場。ということは、迷いつつも就活を続けているわけで、いいところが見つかれば内定辞退するつもり、ということです。
「辞退するにしても、できるだけ失礼に当たらないよう早めに結論を出します」
この方は、辞退すれば会社が困ることもわかっていて、それでも夢を追いたくて、けれど就職浪人するわけにもいかなくて……悩みに悩んで内定承諾書を提出したのでしょう。
私も採用担当をしていましたので、辞退はとっても困るということはよく承知しています。
でも、ここまで考えてくださっているのなら就職浪人のリスクを個人に背負わせるよりも辞退でいいのかな、という考えに、私の心の針は振れるのです。
posted by work-is at 20:13| Comment(0) | 就活