2014年08月07日

学生さんの悲鳴〜親が子を追い詰める〜

こんにちは! ワークイズ代表の桑原祐介です。



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先日、ある学生さんの相談を受けました。
最初は「まだ内定がもらえない」という内容だったのですが……


聞いているうちに、その方のメンタルな悩みが出てきました。
「もう就活をやめたい。このままがんばっても自分は内定がもらえず、就職浪人するような気がする」


これを読んで「甘い!」と思う方もいるかもしれません。
確かに、この時期まで内定をもらえなくても弱音を吐かず、明るくがんばっている学生さんもたくさんいます。
でも、12月から走り続けて何社も、何十社も面接を受けて落ちてきたら……疲れ切ってこんなことを言いたくなる気持ちも、わかってあげなくてはと思うのです。


だって、大人だって不景気の頃は「履歴書を何通書いたことか」「また面接で落とされた」と就職難を嘆いていたではありませんか。
中高年の自殺もたくさんありました。若い人が殊更に弱いわけではないのだと私は思っています。


とはいえ……
就活をやめたところで人生がよい方向になるわけでもありません。
どうにか自分を奮い立たせて、時にはストレスを発散し、時には悩みぬき、時には人と話したりして、どうにかするしかないのですが。


少し脱線しました。
いろいろ聞いてみると、その方のメンタルを追い詰めていたのは何と、親御さんでした。


親御さんもとてもとても心配なのだと思います。
学生さん御本人も、もちろんそのことはわかっていて。
でも、半年以上にわたる就活という未知の世界で疲弊し、出口が見えなくなっている学生さんにとって、その愛情を理解することは難しいケースも間々あります。
ありとあらゆるアドバイス、助言、思いやり、愛情……それら全てから背を向けたい、逃げたい、ひとりになりたい、という気持ちになるのも、無理のないことかもしれません。


「ここがまだ募集しているから受けてみたら?」

「仕事なんて就職できればありがたいと思わなくちゃ。やりたい仕事なんて言って選んでいちゃダメでしょ?」

「みんな就活がんばっているんでしょう? 家になんかいないで、もっとがんばりなさいよ」


こんな言葉が学生さんたちを追い詰めます。
何もわかっていない、何もわかってくれない、と。


「最近は就活の話題で親とケンカばかりしています。本気で親を殴ってしまおうかと思ったことも何度もあります。このままだと本当に両親を殴ってしまいそうで……」
先日の相談者は、ここまで悩んで追い詰められていました。


そして、このことを話せたのは、大学のキャリアカウンセラーと私だけ。2人だけなのだそうです。


どんな衝動があろうと、罪は罪になってしまいます。
どんなに抑えられなくとも、その衝動は抑えなさいと話す一方で、面接に落ち続けている本当の原因を探そうと話しました。
その後、しばし話を続けて、なぜ就活がうまくいかないのか、その出口を示す光を見出してもらうことができました。
御本人も、「今日はお話ができてよかった」と言ってくださいました。よかった……

「面接で落ちる」「就活がうまくいかない」ことによるストレスは、人によってはとても大きなものとなります。
それは、中高年でさえ自殺に追い込むほどの重さとなって人の心にのしかかることがあります。
ましてや20歳そこそこの学生さん。どうしていいかわからなくなり、心の平穏を保てなくなる人がいても不思議はありません。
周囲の大人がうまく受け止め、一緒に出口を考えてあげることで、救われる心があります。
大人だってそうでしょう?
自分の気持ちを、置かれている立場を、理解してくれない人に口をはさまれたくはないはず。
今回のように間違った衝動がある場合でも、一旦それを吐き出させることが大事だと思っています。
そんな衝動を持ってしまうからには、少なくとも一分の理は持っているはず。
そこに理解を示した上で、してはいけないことについては厳しく一線を引き、その上で向かうべき方向がどっちなのかを、本人の心の中から引き出してあげる……
押し付けるのではなく、本人の心の中から引き出すことで、本当に本人の心と一致した就活ができると考えます。
そして、本人の心の中から引き出そうとする姿勢が、相談者との信頼関係を築くことにつながるのではないかと思うのです。
posted by work-is at 20:19| Comment(0) | 就活

2014年07月30日

厚生労働省「若者応援企業」とは?

こんにちは! ワークイズ代表の桑原祐介です。


厚生労働省が推進している事業の1つに、「若者応援企業」宣言事業というものがあります。


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上記URL内には「次の[1]から[7]の基準(宣言基準)をすべて満たす中小・中堅企業であれば、「若者応援企業」を宣言することができます」という表記があります。
逆に言えば、宣言基準をすべて満たさなければ「若者応援企業」宣言はできない、ということになります。


宣言基準を以下に記します。

  • [1] 学卒求人など、若者対象のいわゆる「正社員求人」をハローワークに提出すること
  • [2] 「若者応援企業宣言」の事業目的に賛同していること
  • [3] 以下の就職関連情報を開示していること
    • ・社内教育、キャリアアップ制度等
    • ・過去3年度分の新卒者の採用実績及び定着状況
    • ・過去3年度分の新卒者以外の正規雇用労働者(35歳未満)の採用実績と定着状況
    • ・前年度の有給休暇および育児休業の実績
    • ・前年度の所定外労働時間(月平均)の実績 等
  • [4] 労働関係法令違反を行っていないこと
  • [5] 事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと
  • [6] 新規学卒者の採用内定取消を行っていないこと
  • [7] 都道府県労働局・ハローワークで扱っている助成金の不支給措置を受けていないこと


社員の定着状況や有休消化率、育休の実績や残業時間の平均などを開示することが条件に含まれています。
ブラック企業に行くのはゴメンだ、と思っている学生さんにはよい情報なのではないでしょうか?


同ページの下の方には県別のリンクがあり、クリックすると県ごとにどんな企業が宣言企業になっているかがわかる上、開示情報を見ることもできるようになっています。
学生さんや転職希望者の方は、一度ご覧になってはいかがでしょうか?
posted by work-is at 19:20| Comment(0) | 就活

2014年07月16日

「フツーの会社員」に関する情報の希薄さ

こんにちは! ワークイズ代表の桑原祐介です。


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小学校か中学校か、もう覚えていないのですが、学校で「仕事について」学ぶ機会があると、消防士さんや警察官などが来てくれて仕事について話してくれたり、質問に答えてくれたりする、そんな授業がある(あった)のではないでしょうか。


でも、消防士さんや警察官になる人は、そんなに多くないですよね?
むしろ、フツーの会社員が来て話をしてくれたほうがいいんじゃないか……ふとそんなことを思いました。


いわゆる普通の会社員って、小中学生はおろか、大学生だってその仕事の中身を知らない人がたくさんいます。
就活でやりたい仕事が見つからない人や、入社後にリアリティ・ショックで早期離職してしまう問題の陰には、実は「普通の会社員」に関する情報が極端に少ないという原因が隠れているような気がしてなりません。
営業職や事務職、経理、企画、管理部門……「普通の会社員」といっても幅は広いです。
けれど、そうした「普通の会社員」の仕事ぶりやその楽しさ、大変さについて話してもらう機会って、ないですよね?
そして、大学生たちも「普通の会社員」像が描けなくて、仕事選びでつまずいたり、夢をなくしたり……
もう少し「普通の会社員」のことがよくわかっていれば、就活も違ってくると思います。
なぜって、多くの人は就活=どこかの企業に就職=会社員になる のですから。


普通の会社員と触れ合う機会がもっともっと必要なんだと感じます。
「夢がない」と言う人もいるかもしれませんが、会社員に夢がないとは私は思いません。
そこで花を咲かせ、仕事の面白さを十二分に満喫して働ける人もいます。
(私もそうでした。人事・教育・採用の仕事は天職だと思ったほどでしたもの)


学生さんの意見も聞いてみたいなぁ。どうですか?
あ、私も普通の会社員経験をたっぷり持っているので、聴きたい方がいらっしゃったら、たくさん語りますよ!
posted by work-is at 19:29| Comment(0) | 就活

2014年07月09日

「声が小さい」若者が一瞬で直る! そのやり方とは?

こんにちは! ワークイズ代表の桑原祐介です。
今日は研修講師として「受講生ができるようになる」ためのテクニックを1つ。


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「声が小さい」若者が一瞬で直る、とても簡単ですぐできるやり方です。
面接指導をしている進路課の先生方や、蚊の鳴くような声で報告に来る新卒が配属されてしまった部署の教育担当者の方はぜひ。
そして、「どうも僕(私)は声が小さくて」と感じていたり、そう指摘されたりしたことのある若い人たちも、是非試してみてください。


やり方は簡単です。あっけないほど簡単です。
それは……


「3m離れた場所から報告させる」


これだけです。


3m離れて立って相手に話しかけようとすると、こんな風に感じるはずです。
「普通の声で話したらちょっと小さいかな? 声が届かないかも……」
ちょっぴり不安になるでしょ? 「ちょっと大きな声を出さなくちゃ」って感じて、普段よりお腹に力が入るはずです。
ダメなら5mまで距離を離してみましょう。
若い人たちで声が小さいタイプは、目の前で報告を聞きながら「もう少し大きな声で」とお願いしても、少し話しているうちにすぐにまた声が小さくなってしまいます。
何度繰り返しても直らない……そんな人にも効果があると思います。


くれぐれも、若い人たちが「バカにされた」と感じることのないように同意だけはとってくださいませ。
自分目線でしか物を見られない若者もいます。こういうことでインフォームドコンセントをしっかり行わないと、「意味わかんないっ」と感じて反発してしまいます。
ちなみにこの方法はマイクなしのプレゼン等の場でも使えます。
プレゼンターは、一番後ろの席に座った人を見て、その人と話すイメージで声量を決めるのです。
一番後ろの人に届く声量なら、会場全体で話を聞き取ることができます。
「どうも自分は声が小さくなってしまう」「ハキハキ話すことができない」という方は、会場の一番後ろの席の人を見て、その人に話しかけることを想像して、声を出してみてくださいね!
posted by work-is at 20:47| Comment(0) | 就活

2014年07月08日

学生から見た就活イメージ

こんにちは。ワークイズ代表の桑原祐介です。


こんな動画を見つけました。
つい最後まで見てしまいました。





この動画、社会に出て何年も何十年も経っている人の目から見ると、おかしいと感じるところがいくつもあります。
でも、学生さんの目から見ると、共感できるところが多いのではないかと感じます。


学生さんの見方が間違っているかどうか、という問題ではないと私は考えます。
少なくとも学生さんにはこのように映っているのだ、ということ。
それを理解した上で、学生さんたちと接することができれば一番だと思います。
それは、そのまま受け入れろ、ということではなく、このように考えているという前提で接し、正すべきは正してあげなければならないということです。「理解できない」とさじを投げるのではなく、理解しようと努め、どう話せば学生さんの認識を修正してあげられるのか考えて接することができれば最高だと思うのです。


こういうスタンスって、何も学生さんの見方に対してだけの話ではないと思っています。
若い人には「上司にはどう見えているのか?」を考えてほしいと思います。
生徒さんには「先生には、親には、どう見えているのか?」を考えてみてほしいですし。
「お客様からは?」「異性からは?」「外国人からは?」「反対派からは?」
これら「相手の立場に立つ」ことと「学生さんからはどう見えているのか?」を理解しようと努めることとは、何も違わないと思うのです。


私自身、学生の頃の気持ちはどんどん薄れていっていると感じます。
経営者や上司、先輩の立場と学生さんの立場の間に立って、どちらの思いも正しく理解できる人間になりたいと強く思っています。
posted by work-is at 19:38| Comment(0) | 就活